今年度から総合診療チームで動くようになりまして、念願の教育カンファレンスを毎週開催できています。
チームメンバーや医学生からいろいろ学ばせてもらうだけでなく、自分も何か発信せねば!と思い、”家庭医療ジャーナルクラブ”と称して総合診療・家庭医療に絡めた論文を月1ペースでまとめるようになりました。
せっかくまとめたので、ブログにも載せておこうと思います。
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今回の論文は
Which Physicians' Behaviors on Death Pronouncement Affect Family-Perceived Physician Compassion? A Randomized, Scripted, Video-Vignette Study
この論文を読もうと思ったのは、チームでの雑談がきっかけでした。
ここら辺を解決する研究があるんじゃないかと思い、緩和ケアの友人に紹介してもらった論文になります。
内容を全て説明するとお腹いっぱいになりそうなので、エッセンスだけ紹介したいと思います。
・思いやりのある/ない医師を演じた看取りの動画を作成し、それをみてもらってどう感じたかを調査した
・思いやりのある行動をとる医師の方が好ましい印象を持たれた
・思いやりのある行動として
①当番医は主治医から申し送りを受けていることを家族に伝える
②亡くなった患者に敬意を持って診察する
③腕時計で死亡時刻を確認する
④患者が苦痛を受けずに亡くなった、と家族に告げて安心させる
上記4つが推奨される
・病室に到着して家族が落ち着くのを待つのはそこまで重要視されなかった。すぐに診察を始めていいかもしれない。
・あくまで病院の病室でのセッティングなので、在宅や日本以外のセッティングで適応できるかわからない
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思いやりのある行動が腕時計、としているのは先行文献を根拠にしているんですが……先行論文を見た限りでも腕時計と思いやりのある行動が間違いないかはっきりわからない感じでした。
かつ、最近はスマートウォッチも普及しており、この論文だけでは腕時計最高!とまで言い切れないのかな〜というのが感想です。
とは言っても、PHS以外の選択肢はあった方がいいと思い、やすい懐中時計を買うことにしましたとさ。
月1ペースくらいで抄読会の様子もお届けできればと思います!