4いよいよGWがやってきます。
これほど胸が躍らないGWもなかなかないんじゃないでしょうか。
前回の記事から10日ほど経過し、今のところ村で新規のCOVID19患者は発生していません。
この間に何をしていたのかというと、診療所の外へ活動の幅を広げておりました。
村内に持ち込まれたコロナへの対策、診療所の水際対策、治療が必要かどうかのトリアージといった、感染症対策に追われた1ヶ月でした。
このまま落ち着いてくればいいのですが、警戒すべきは第2波です。
この第2波は、「新型コロナウイルスが再発生する」という波と「新型コロナウイルスの余波」の2種類があるんじゃないかと懸念しています。
新型コロナウイルスの再発生は、人の流れを抑制すればある程度牽制できそうです。特に村は人の流れが少ない場所なので、GWの帰省や集まりさえ何とかできれば持ち込まれる可能性は相当下がるでしょう。
どちらかというと対策を打たないといけないのが、新型コロナウイルスの余波です。
この数週間、日本中が辛抱しています。それぞれがストレスを抱えながら耐え忍んでいる状態です。
このストレスが身体や精神に影響を及ぼして、健康を保てなくなってくるのではないか。そんな余波がいつやってくるのか心配しています。
心配になって受診してくれれば色々相談に乗れるのですが、どうしても受け身な対策になってしまいます。可能なら診療所に相談する前から崩れないよう対策を打って欲しい。
どんな対策が必要なのか。
思いついたのは村内への情報提供でした。
診療所は幸い村役場と連携を取りやすい立場にあります。正しい情報提供のために村役場の力を借りることにしました。
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アクション1:防災無線
田舎だとそれぞれの家庭に防災無線のスピーカーがついており、毎日時報や役場からの広報が流れています。
この無線を使って、診療所からのメッセージを送らせてもらいました。
2分ちょっとの放送でしたが、
・新型コロナウイルスは災害です、誰が悪いわけでもなく、誰もが辛抱している
・村で感染した人への蔑視は控えて欲しい
・GWは外出せず、帰省もさせないようご協力ください
・心配、不安な方は診療所にご相談ください
・皆様の協力のおかげです、本当にありがとうございます
といった内容を盛り込みました。
予想外の反響として「先生、声が若い」と褒められました。
素直に褒め言葉として受け取っておこうと思います。
アクション2:村向けの説明書
新型コロナウイルスは様々な情報が乱立しており、逆にまとまりをなくしているような状態になっています。インフォデミック待ったなしです。
特に村の高齢者の情報源=テレビは自分の見ている範囲で不安を強める効果はありますが、安心できる効果はあまりないような印象でした。
そこで、村の高齢者にも正しい知識を届けられるよう、パンフレットを自作しました。読みやすく・わかりやすく、できるだけ必要な情報に絞って作ったつもりです。
役場のバックアップを頂いて全家庭に配布することになりました。評判はどうか、ソワソワしています。
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氾濫する情報が不安や差別を産むなら、正しく絞った情報が解決策になるだろう。
この考え自体はそんなに間違ってはいないと思います。
しかし、効果がどうか・もらった人にどんな反響があるかは蓋を開けてみないとわかりません。できれば村民の皆様のお役に立ちますように。
まだまだ災禍というべき時期は続きます。教育や経済など、早期から再開すべきところもあるだろうし、地震や水害と違って復興のフェーズがいつからやってくるのかもわかりません。感染症とは本当に悩ましい災害です。
ここから先は持久戦の様相も出てきます。倒れずに仕事し続けられる工夫も必要です。
自分自身のケアもしながら、引き続きコロナと向かい合っていこうと思います。