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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

育休で学んだこと

先日家族が増えました。それを契機に職場から育休を2週間いただいておりました。いくつか備忘録として記録しておこうと思います。
 
今回の自分の育休は出産予定日に合わせて2週間固定で休みを取るという形でした。
期間が決まっているので当直などのタスクを事前に準備することができ、かつ育児休業制度ではなく余っている休暇+育児手伝い特休などを使って給料が下がらないよう配慮してもらえました。
この形はスタンダードではないと思う一方で、今の職場で休むにはこれが現実的には限界と判断した次第でした。
 
思ったことは下記の通りです。
 
・メールやLINE返すのが関の山。
そこのあなた。子供が昼寝をした時間とか少し早く寝た時間を使ってレポートとかタスクとかできると思ってるでしょ?
そんなことは厳しいとお伝えしておきます。
ともかく時間進行の全ては子供がイニシアチブを握っています。子供のペースで全てが動いていくので、こちらがコントロールしようとなって思ってはいけない。
時間をコントロールできない中で、少し時間が空いたら何をしますか?
そう、休憩です。
休憩しないと次のアクティビティに挑む元気がでない。
そんな中でタスク解消に挑めますか? 自分は無理です。
なので、携帯でささっとできる返事くらいしかこの2週間はできませんでした。(1件だけミーティングの調整を行ってみたら、見事にダブルブッキングをかましてしまいました。明確に処理能力が落ちていることを痛感しました)
育休というのはそういうもんです。話には聞いていたけど、実感できて本当によかった。
 
・普段から育児/家事をしていなければ、役に立つことはできない。
育休に突入して求められることは「即戦力」であることです。
あなたは戦場のど真ん中に飛び込む。手取り足取り教えてくれる教官はいない。
それは育休を申請するあたりから既にわかっていることです。
ならば、即戦力になれるように普段から家事/育児に参加しておくよう強く勧めます。
教官はいないのだ。日頃から戦力となれるように努力しておけば、育休中にもすぐに役に立つことでしょう。
 
洗濯機は回せる? 故障した時のトラブルシューティングはOK?
子供が汚した服のシミは自分で落とせる?(ウタマロ石鹸かオキシクリーンの使い方はマスターしておくべし)
ゴミ捨てはもちろん問題ないよね?
食事は用意できる? なんなら簡単なお弁当は準備できる? (キャラ弁とか凝らなくていいから)
風呂上がりの子供のスキンケア・着替え・ドライヤー・歯磨き・寝かしつけまでワンオペで回せる?
 
この辺りを事前に身につけておいて本当に良かったと思いました。ともかく前々から育児参加しておくこと、家事も共同で行うこと。これに尽きます。
 
・産まれたタイミングで休みを取るためには、事前からの組織作りが必要。
今回休みを取るにあたって、院内各方面の手配が大変でした。自分の外来はどうにでもなるんだけど、当番と病棟は色々お願いしっぱなしです。これは医者の勤務が属人的になりがちなことが影響していると分析しています。
育休・産休は夏休み的に捉えるのではなく、病気休暇として捉えて休みを取れる組織づくりが重要なんだと我が身で思い知りました。
そのためにはやはり個人で働くのではなくチームで働ける環境を整備すること、チームで常に100%で動くのではなく余力を残しながら動けるようにすることですね。
 
・自分で休みの提案するのしんどい
男性医師の育休はおそらく当院では類を見ないので、誰もノウハウがありません。なので言い出しっぺが事務方と相談したり提案したりする必要がありました。
幸い、制度面とか効率のいい取り方などは事務方で相当サポートしてくれたので助かりましたが……これを1人でやってたらかなり心が折れてた気がします。
ここもやはり協力してくれる上司がいると心強そうです。
 
 
結論。
これからの時代、育休・産休は取って当然です。
というか当然である世の中にしていきましょうよ。
そのためにもやはり経験しておくことは大事だと思いました。
 
自分の後輩が安心して育休を取れるチームを作る、育休を取ることがますます自己肯定感に繋がるようなチームを作る。
今回の経験からそんな職場を目指して頑張ろうと思えました。
プレーヤーからマネージャーになっている皆様、ぜひタイミングがあれば育休を取ることをお勧めします。