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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

朝焼けの中に立ち続ける仕事

怒涛のように1月が過ぎました。めちゃ忙しかった……。
通常業務に加えて新年度から新しく挑むクエストがありまして、それの下準備や根回しなどを行っていると時間はあっという間に溶けていきますね。
とは言ってもブログをあまり放置するのも申し訳なく、こうして隙間を見ながら駄文を書いているわけです。
 
先月の早い頃、遠方から学生が見学に来てくれました。
総合診療や在宅をやりたいけど本当に未来はあるのか、生きていけるのかと悩みを聞かせてくれました。
学生の話を聞きつつ、総合診療ってこんなんだよねーという説明をしていたわけですが、ふっと出てきた自分の表現が気に入っているのでブログに残しておこうと思います。
 
「総合診療医って医者なんだけど、医者にものすごく振り切っているわけではないんだよね。
 人間の部分を大事にしつつ、医者でもあり人間でもあるのが僕らの仕事なんだと思うのよ。
 夜でも朝でもない、朝焼けに立ち続ける仕事って感じかなぁ。
 夜の方からも朝の方からもどっちつかずと言われそうだけど、朝焼けに立っているから分かる感動ってのもあると思うんだよね」
 
我ながら非常に詩的で、こうして書き出すと背中が寒くなるような表現ではありますが……、これは言い得て妙だと振り返って感じていました。
 
総合診療医は医者ですのでもちろん医学の勉強はしています。外来・病棟・救急・在宅と幅広い場で医者として働きます。
そこで総合診療たりうる要素としては、患者一人一人の向こう側を見ているかどうかだと思うわけです。
目の前の患者は「慢性心不全・高血圧」だけでなく「現役の農家・高齢の2人暮らし・地区のまとめ役」と”その人ごとの背景”を持っています。ここをきちんと踏まえるということは、人間としての感受性を自分に置きながら医業を行っていくということな訳です。
自分の考える総合診療医って、この医者軸と人間軸の両方をバランスとっていく医者のことなんだと改めて思いました。
これを表現したのが、”朝焼けに立ち続ける仕事”という言葉なのでしょう。
 
この表現にピンとくる人と一緒に仕事がしてみたいなーと思った最近でした!
ではまた。