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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

山形県豪雨 自分の体験

2020/07/28、山形県は豪雨被害に見舞われました。

50年に1度と揶揄される豪雨に最上川が氾濫し、複数の市町村に被害をもたらしました。

自分の暮らす村も水害に見舞われました。自分と家族は幸いながら、今日の時点で自宅でブログを書けるくらいには落ち着きを取り戻しました。

どんな様子だったか、記録を残しておこうと思います。

7/27からしとしとと降っていた雨は、7/28に本格化してきました。午前は「雨粒がでかいなぁ」くらいの考えでしたが、午後になって徐々に水害の気配が漂ってきました。

夕方になると増水が目に見えてわかるようになりました。まず飛び込んできたのは土砂崩れのニュースです。道路が分断されたために避難所を作るという報告が入り、診療所もどう避難するか対応を確認しました。

自宅に帰って、まずは水害に備えた準備を整えました。

一泊できる用意・貴重品・最低限の食料と水、それと持っていけないものを2階に避難させました。

我が家は妻と1歳児の3人家族ですが、これだけでもリュックサック3つ必要でした。

21-22時とじりじり水位は上がってきます。避難勧告は出ていましたが、子供が安心して眠れる環境にいたい思いと天秤が揺れていました。

23時、村の一部で浸水が見えてきたため避難指示が出ました。こうなれば避難するしかありません。まとめた荷物を持ってすぐに避難場所へ移動、2320には腰を落ち着けることができました。

大変だったのがここからです。

体育館に続々と村民が集まり、中には子供も含まれます。

夜中に移動してテンションの上がった子供たちは遊んじゃいますよね。うちの子供も例に漏れず、興奮して眠ってくれませんでした。

これは想定外でした……。

7/29。

雨は落ち着き水位も増加傾向から落ち着いたので朝の時点で自宅に戻りました。

診療所は休診になりましたが、各種対応のために自宅へ戻りました。各避難所へ所長が見回りに出かけ、その間に施設や急患の対応を行っていました。2人体制でほんとよかったです。

夕方には避難指示が解除され、夜はゆっくり休むことができました。

たった1日の避難でしたが、どっと疲れました。

避難を経験してわかったことも沢山ありましたので、ざっと書いておきます。

・水、食料、避難セットは少しずつ準備しておいてよかった。特にオムツ・おしりふきなど子供関係の用具はストックがあると安心できる。

・数枚持っていったバスタオルが大活躍。枕、掛け物、娘の精神安定剤など。余裕があれば持っていって損はないかも。

・寝場所は封筒シュラフ+断熱シート+借りた毛布で確保。ソーシャルディスタンスも取れた。

・堤防決壊、鉄砲水といった急な避難ではなかったので、準備時間が取れた。

・歯磨き、トイレは使用しにくい。慣れるまで時間かかりそう。

・急な避難の時にはこんなに持ち出せなかった。日頃から最低限の避難セットはやっぱり必要か。

水害の急性期は避難民として体験しました。

週明けからはおそらく医者として水害・二次災害と対峙することになるのではと危惧しています。

県内で被災された方に心からエールを送ると共に、「いのちをだいじに」復旧作業に取り組んでほしいと思います。

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