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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

読書会2「縮充する日本/山崎亮」

今月もやってみました、読書会。
今回の課題図書は「縮充する日本」、コミュニティデザインで有名な山崎亮さんの新書です。

高齢化社会の先に多死社会、そして人口減少していく社会をどう生きていくのか。
「縮充」というのは「小さく充実する」という山崎さんの造語です。小さくなる社会をどう充実させるか、彼のこれまでの活動を織り交ぜながら未来に向けて考えさせてくれる1冊です。

個人的なテーマとしては、「人口の少なくなる社会に果たして医者は必要なのか?」という切り口でした。

ちょうど今の医学部生は高齢化社会に向けて医師人数を増やす方略が取られている世代です。
たくさん医者を作ってたくさんの高齢者をケアしようという何とも分かり易い方略ですが、裏を返せば高齢化の波を乗り切るための一時的な方略でもあります。
人口減少のフェーズになった時、医者は余ります。少なくとも今の忙しさから解放されるし、給料も下がるでしょう。
そんな社会で医者は今のままの仕事を続けていくことが正解なのでしょうか?

未来は不確かで、何が起こるかわからないということだけは間違いない事実です。
コロナショックの中で、ますます未来は見通しが立ちません。
だからこそ、「どんな未来になるか考える」「自分の生きる軸を大切にする」「自分は何がしたいのか考え続ける」ことが求められているのではないでしょうか。

人口減少という変えられない現実の中で、どう生きてやろうか・どう楽しんでやろうか。
縮充という言葉にそんな太々しさを感じながら、強く共感する昨今でした。