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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

皮下異物に対するエコーと点数

最近、通常外来に関わる記事が多いですね。新型コロナの影がそれだけ遠のいているという証拠でもあります。

今日は皮下異物について。
手技そのものよりも、付随するあれこれについてお勉強しておきます。

・異物の確認について
基本はレントゲン写真。木片だとレントゲンを透過するので注意が必要です。
透過性関係なしに評価できるのが体表エコー。皮下異物だと本当に皮膚から数mmの評価になるのでリニアかセクタプローブが推奨されるみたい。
高輝度・アコースティックシャドウを引くイメージを持って皮膚直下を探していく感じ。除去した後にもう一度エコーを当てれば、残存があるかどうかの評価もできます。
体表エコーとして350点算定できるけど、厚生局の判断に従ってください。

筋肉まで達している場合には専門的な手術が必要と考えます。
腱や骨に影響している場合も同じく。レントゲンだけでは深達度が測定できないので、エコーもしくはCTで位置を測定できるといいかも。

・異物除去の点数
今回悩んだのは一体どの手術料を算定するかでした。
候補にしたものを並べてみます。
①K001 皮膚切開術(10cm未満) 570点
 基本はこちらになるみたい
②K097 手掌、足底異物摘出術 3,190点
 部位が手掌・足底だった場合にのみ算定できるようです。
③K029 筋肉内異物摘出術 3,440点
 異物が筋肉内に入っていないとダメなので、皮下異物では算定できず。

場所が手掌・足底なだけで5倍近くの点数をとることができるのは驚きですね。
きちんと病名もつけたいものです。

今回はエコーと皮膚切開術を算定させてもらいました。
きちんとエコーで特定した病変を、ビシッと除去できて個人的にはホクホクな経験でした。

参考文献)
皮下異物のイメージ http://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/products-support/contents/medix/pdf/vol47/P27-32.pdf