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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

ファシリテーター報告

なんだかドタバタしてブログの更新が滞ってました。
とりあえず何をしてたかの報告として、ファシリテーターしてきたよという内容です。
 
どちらも県内のイベントですが、EーFIELDとPEACEに参加してきました。
E-FIELDはEducation For Implementing End-of-Life Discussion、患者の意向を尊重した意思決定のための研修会 相談員研修会です。
略称がめちゃめちゃかっこいいですよね。
PEACEはPalliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education、症状の評価とマネジメントを中心とした緩和ケアのための医師の継続教育プログラムです。
 
過去に受講はしていましたが、ファシリテーターとして参加は初めてです。
自分の勉強も兼ねてドキドキしながら参加してきました。
 
意思決定支援も緩和ケアも、自分の中では「当たり前」になりつつある概念です。
でも、目の前の受講者にとっては「新鮮な」概念である。
ここのギャップに気付けたのはよかったです。
 
知識や考え方が一般化して、医療職であれば共有できて「当たり前」となると、思わぬ落とし穴に陥ってしまうものです。家族と話していても噛み合っているようで噛み合っていない時、僕たちが「当たり前」と思って口にしていないところに落とし穴が転がっている。
ファシリテーターとして一歩引いた目線で参加していると、そんなギャップに気づくことができました。
 
あとは、集団研修の意味合いについても考えさせられました。
コロナウイルスの騒ぎがこのまま収束しないなら、集合研修自体も考え直さねばならなくなります。
心理的安全性が保たれている場で、ストレートに意見を交わし合う。そんな場が提供できるのが集合研修の魅力です。特に緩和ケアや意思決定支援は直接話ながら進んでいく機会が多く、やはり話して練習する場を作りたい気持ちは十分理解できます。
 
ただ、話して「ふーんこんな感じなんだ」で本当に伝わっているのでしょうか?
こういう単発企画を繰り返すだけで、本当に受講者の質の担保はできるのか。
入り口に案内しただけで、その人が現場で実行するためにはまだまだ壁があるのではないか。
 
研修会を繰り返すことで全国的に認知度を上げるのが目的であれば、この形を繰り返し行っていくのでもいいんでしょうが……本当に県内に浸透させていくためには、現場のチーム単位で実行していくための仕掛けも必要そうです。
 
受講者の時にはひたすら用意されたカリキュラムをこなすことに専念して終わっていたので、ファシリテーターだといろんな目線で考えることができました。
さて、我がこととして現場にどうやって還元しようか。考えていきたいと思います。