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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

緩和ケア認定医を取りました

資格取得2つ目です。
日本緩和医療学会の設定する「緩和ケア認定医」を取得することができました。
総合診療医のspecial interest(興味のある分野)としてニーズがあるかなーと思うので、ブログに書き留めておこうと思います。

 

1、認定医と専門医の違い

 日本緩和医療学会の認定している医師向けの資格としては、専門医と認定医があります。ざざっと比較してみましょう。

認定医:
 半年の緩和ケア医としての経験・5本のレポート・20例の経験症例
 緩和学会・教育セミナーに参加
 レポート+試験で取得できる

専門医:
 認定施設で2年間の臨床研修
 20本のレポート・2回の教育歴・論文+学会発表
 緩和学会・教育セミナーに参加
 レポート+試験+口頭試験で取得できる

専門医はやっぱりハードルを高めに設定しているのがわかります。
実際に試験内容も認定医の倍(半日vs全日)ですし、それだけ「緩和ケアをやりたい!これを専門にするんだ!」という熱量が求められているような気がします。
実際に学会が発表している認定者数も明らかに専門医の方が少ないです。

とはいえ、認定医・専門医どちらでも指導医資格を満たすことはできます。

 

2、なんで取得したの?

 専門医のための条件を今年の春に満たしたので、受けようと思えば専門医も受けることができました。
 認定医でも専門医でも取得後の影響(認定施設にできる・指導医に慣れる)は変わりません。緩和ケアの世界においては重さが異なりますが、ラベルとしての影響も山形で緩和ケアを行う身としてはそこまで強くありません。
 であれば、あとは「専門医を受験しようというエネルギー・専門医を名乗りたいと思うエネルギーがあるか?」という点でした。

 自分のやりたいことは「山形県に総合診療という選択肢を作ること」です。緩和ケアは総合診療と親和性の高い領域ですし、最期までしっかりとケアするために重要な領域です。 
 しかし、自分は緩和ケアが専門の人間ではなく、「山形の総合診療」を専門として名乗っていきたい。
 小さなこだわりですが、こういった経緯から認定医を取ることにしました。

 

3、何を勉強したか?

 レポートに関しては完全に自己流です。ある程度の期間、緩和ケア医としてしっかり勤務+相談できる環境があればレポートに関わる知識は習得できると思います。個人的に大変だったのがスピリチュアルペインでした。知識として押さえ切れていなかったことと、書いていて「本当にこれでよかったのか…」という迷いが捨てきれなかったです。指導者に相談できる環境にある人は、ぜひ自己流で進めずに指導者と相談してくださいね!

 試験勉強に関しては、ひたっすら過去問です。専門医ハンドブックと学会HPに上がっているガイドラインを調べながら解いていけば、周辺知識をしっかりと抑えることができると思います。
 認定医の試験問題のつもりで専門医を解いたら、あまりにできなくて冷や汗をかいたのは懐かしい思い出です(笑) 問題数も倍だし難易度も倍だし……、もちろん試験勉強として専門医の過去問にも手を出してみることはありだと思います!

 

4、これからどうする?

 緩和ケア認定医+プライマリケア認定医を取得した理由は、
①自分が何をする人か説明しやすくする(緩和ケアに強い総合診療医)
②後輩の指導のための資格確保
 の2つでした。
 そのため、最も大事なのは指導医資格の維持になってきます。これからも勉強したり学会に参加したりと、取得してからが本番ですね。
 ひとまず合格して安心しました。ぎっくり腰を起こしながら試験を受けて本当によかったです。