YAMAGATAxGP

山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

首のイボはどう治す?

この前の外来でのこと。
「先生、このイボ取れないんですか?」と聞かれました。
おっしゃる通り、首にはちょんと小さなイボが。

液体窒素? うちにはないなー。ヨクイニンを飲ませるんだっけ? というか正式名称は?』

出てきた答えは「すみません、次回までの宿題にさせてもらっていいですか?」でした。

イボと一言で表しても、鑑別はいろいろ広がります。
よく尋常性疣贅と翻訳されることもありますが、その形状・部位から鑑別疾患は様々です。
大きく分けて、
1、ウイルス性疣贅
2、脂漏性角化症
3、軟性線維腫(スキンタッグ・アクロコルドン)
となります。
このウイルス性疣贅の中でも、尋常性疣贅・伝染性軟属腫・尖圭コンジローマなどたくさんの鑑別疾患に別れていきます。

ウイルス性疣贅はウイルスという明らかな原因がいるので治療法もそれなりに種類があるようです。
一方、脂漏性角化症や軟性線維腫については原因も様々なため画一的な治療法はなさそうでした。

今回、私が遭遇したのは……スキンタッグみたいです。名前がわかっただけでも目からウロコでした。
次の外来で提案するとすれば局所切除だけど、はたして希望されるかどうか。次の外来をお楽しみに、といったところです。

参考文献:
尋常性疣贅ガイドライン2019