水虫はもはや国民病なのではないか。そんな勘違いをするくらい、足白癬症の方は多いです。
暑い季節になってきたので、白癬菌ちゃんが増えやすい時期になってきているんでしょうね。
そんな中、最近気になるのが「爪白癬」です。
足の爪がごわごわのがちがちになってくる、あれですよ。
爪の一部をもらって鏡検してみるとやっぱり白癬菌がいるので、菌の力って凄いですね。
さて、皆様は爪白癬を見つけた時にどうしてますか?
問答無用で処方している人も、スルーしてる人も様々だと思います。
いくつか調べた内容を供覧したいと思います。
①治療適応
基本的には美容的な問題や運動器への問題が治療適応になります。
足を気にする人、歩いた時に当たる人、アスリートは治した方がよいでしょう。
また、糖尿病の方は爪白癬をきっかけにして皮膚潰瘍になりうるのでこちらも治療を勧められています。
逆を言えば、美容的に気にならず歩くのにも影響がない人は共存したっていいわけです。ここが爪白癬を治療するかどうか悩ましい点かなと感じました。
②治療法
基本は内服です。抗真菌薬の長期内服。爪が生え変わるまで内服せにゃならんので半年〜1年スパンで内服を頑張る必要があります。
パルス療法もありますが、長期内服の方が治療結果がよいと記載がありました。また塗布薬も処方されていますが、やっぱり内服には敵わないみたいです。決して効果がないわけではないそうなので、患者の状態にあわせて選択していくことになりそうです。
その人がどれだけ困ってるか聞き出して治療適応を決める、という点では家庭医療向けの疾患だなーと思いました。
気になったあなた、是非KOH染色をやってみましょう!
参考文献:
Gupta, A. K., K. A. Foley, R. R. Mays, N. H. Shear, and V. Piguet. “Monotherapy for Toenail Onychomycosis: A Systematic Review and Network Meta-Analysis.” The British Journal of Dermatology, May 23, 2019. https://doi.org/10.1111/bjd.18155.