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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

2018東北地方会

この土日(9/1〜9/2)は日本プライマリケア連合学会の東北地方会でした。
結構偉い先生が来たり、いろんな企画があり、濃いめの2日間でした。
その中で印象に残ったことを書き留めておこうと思います。

・総合診療という専門医をどう定義づけるのか
プライマリケア連合学会の会長の公演で、上記の話が話題に上がりました。
専門医機構が色々ととりきめる中、結局は「総合診療医って何なん?」という話になるそうです。家庭医療学だったりワイドレンジが専門性だったり、様々な答えがあることは以前の記事でも触れました。

会長の答えは「Homeを見ているのが総合診療医」

この背景には、総合内科専門医と総合診療専門医の違いは何なのか、という問いがあったようです。
総合診療医が見ている方向は内科医と違う、ということを端的に表しています。
内科医は人間から臓器、細胞、分子の方向=ミクロの方向へ視野が進んでいきます。臓器別専門医の大学院で基礎研究が多いことも納得できるかと思います。
一方、総合診療医は人間から家族、社会、県や国、世界=マクロの方向に視野が広がります。
これを一言で表すのが「Homeを見ているか」。
ある程度かじった人間だと、なるほど!と腑に落ちる一言でした。

・山形でどう総合診療を広げていくか
山形にある医学部はもちろん山形大学ですが、まだ総合診療の講座はないのが現状です。
そのため、学生や研修医は総合診療にふれる機会が他の県よりも少ないわけです。
これをなんとかしたいと常々思っていました。
今回、全国から集まったシンポジストに質問する機会があり、「大学教育の外から総合診療の教育を進めていくのはどうすればいいか」聞いてみました。
三者三様の答えが返ってきました。
 弱者なりの戦い方をすること。選んでくれた少数人を溺愛して育てること。
 情報発信を続けること。
 喧嘩をせずに、こちらの旨味をわかってもらうこと。
 大学の中に理解者を少しずつ作っていくこと。

自分のすぐできることは、まず続けること・発信し続けることだな、と感じました。
このブログを書くことがどうつながるかわかりませんが、山形で旗を振り続けることが重要なんですね。

・10月にあきセミという企画を今年も行うことになりました。
東北で総合診療に触れる機会を作れたので、今年も頑張っていこうと思います。

ややまとまりのない内容になりましたが、また熱意をもって向かっていける二日間になりました。
今後の山形にご期待下さい!、といったところで御開きとさせて頂きます。