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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

多職種連携、在宅連携

急に寒くなって、季節が秋になろうとしています。案の定、明け方に冷え込んで風邪をひきかけました。セルフマネジメントは大事ですね。

昨日は緩和ケアの症例検討会でした。
先月、急遽在宅の手配をして看取りに入った方について、医師・訪問看護師・ケアマネージャー・薬剤師それぞれの目線でどんな考えだったかを共有する会です。
あの時の情景を思い出しながら共有していると、色んな方に関わってもらえたことで本人の希望を叶えることができたのだなぁ、としみじみ感じました。

一方で、入院中の担当看護師からの意見も身に沁みました。
「入院していた時に『これは問題だなぁ』と思っていたことが、そのまま在宅での問題点になっている。入院中からその先のことを考えて動いていれば、もう少しスムーズな連携ができたんじゃないかと感じた」
なるほど、その通りです。
これは入院中に困っていた患者さんをうまくキャッチできなかった緩和ケアチームの反省点でもあります。

入院加療はあくまで人生の通過点にすぎません。
入院しか見ていないとこの目線を得るのはなかなか難しいです。
逆に、入院生活の中で医療者の誰かが「退院までの交通整理」をやってくれればいいのでしょう。
総合診療医はそんな隙間にも当てはまると感じています。
(おそらくコミュニティホスピタリストはこの概念に近いのではないでしょうか)

自宅で旅立つことに最期までこだわっていた方でした。
その人生のエピローグの演出に、少しだけ関わることができた。ちょっとした経験値かもしれませんが、また新たな患者さんに還元していこうと思った夜でした。