総合診療医を名乗るからには、「総合診療とは何なのか」について答えられないといけないですよね。
医師にはそれぞれ得意分野=専門があります。
外科医は外科が専門です。手術をすることが専門の医師ってことですよね。
循環器内科は心臓や血管を専門にした内科医です。
それぞれ、専門医は何をやっているかひじょーにわかりやすい。
じゃあ、総合診療医とは何なのか。
日本専門医機構のHPには…
「現在、地域の病院や診療所の医師が、地域医療を支えている。
今後の日本社会の急速な高齢化等を踏まえると、健康にかかわる諸問題について適切に対応する医師の必要性がより高くなることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を学術的に評価し、 新たな基本診療領の専門医と位置づける。
総合診療専門医の質の向上を図り、以て、国民の健康・福祉に貢献することを第一の目的とする。」
…と書いてあります。
これだけ見ると、
・地域医療を専門とする医師 ・高齢者を専門とする医師
という意味にもとれます。
本当にそれだけなんでしょうか?
(ちなみに高齢者を専門とする医師としては老年病専門医というものもあります)
他の定義はどうでしょうか。
日本プライマリ・ケア連合学会という、国内の大手学会のHPも見てみます。
「総合診療医という選択」というページです。ここの定義の部分を抜粋してみます。
「1、患者を多角的に診る
2、家族・生活背景まで診る
3、地域全体を診る
このような能力を持った医師が総合診療専門医です」
日本専門医機構よりも、もっと幅広さを感じる言葉ですね。
自分が思っている総合診療医のイメージもこちらの方が近いです。
おわかりでしょうか。
総合診療科というのは、どうにも他の専門医よりすっきりと「これ!」が提示できない診療科です。
おそらく、総合診療医ひとりひとりに定義を聞くとそれぞれの答えが出るくらいです。
次の記事で、自分の考える「総合診療医」をお話したいと思います。