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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

読書録:パラダイムシフト

 今月も「大学の中で学べないことを学ぶ」サークル、Yooc!!の活動を行ってきました。

今回は読書会ということで、Web漫画”パラダイムシフト”を題材に取り扱いました。
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メンタルヘルスの問題は以前よりも相当認知されてきていますが、未だ明快な答えはなく多くの人が悩まれています。学生から医者になろうとしている医学生がどう捉えるのか・何を感じるのか、個人的にも興味を引かれました。


当日のログは以下の通りです。

(読んだ感想)
・親との関係性:虐待はあるけど、愛はあった?本当に?
うつ病の辛さ、一人称の病気の表現
・寄り添うことは難しい?
・治療法の問題
・医療者にできることは何か?
アドラー心理学の考え方は、全ての人に適応されるのか?方法論を理解しないと難しいんじゃないか?
催眠療法が新鮮
・引っ張られずに読めるようになった
・物事の捉え方として新鮮だった

 

Q:恋人の支え方がなかなかできないと思うけど、どうしてあんなに支えられた?
 ・根底に愛情はあるけど、行動は割り切っているから
 ・母親がうつ病だったから、治る可能性があることを知っていたから
 ・いい意味でうつ病を軽く見ていたから(沼にハマらないように)
 ・精神疾患だからこそ、捉え方が違っていたのかなと思う
 ・うつ病の予備知識があったから?

 

Q:パラダイムシフトは何を示していると思う?
 ・主人公にとっての気付きは、「うつ=言いたいことがあってここにいた」だからそこのことかな。
 ・うつ病は付き合わないといけない→治そうとする気持ちの変化
 ・自分自身を虐待してしまっていた・自己否定してしまっていた、自分で選択肢を狭めてしまっていた⇨そういった自分自身の気持ちに向き合って変えていった
 ・得体の知れないうつが自分自身の心だった、という原因は外じゃなく中にあった。
 ・虐待を受けていた→自分自身を虐待していた
 ・鬱じゃない人ならどう生きている?という目線の変化
 ・今だけを見る、スポットをどこに当てるか、という複数の主人公の変化を示している

 

(今日の感想)
・恋人の話を色々聞けてよかった
・見る人が違うと視点や切り口が違うのが面白かった。人に自分の言葉を伝える・人の言葉を聞くことで、自分の目線が固かったことを理解できた
・心拍数が高い1時間だった。身近な人で悩む人がいた経験があるので、言葉を非常に選んでしまった。
・それぞれのバックボーンで価値観や見え方が違う、この話を通して出てくる感想も異なることが刺激になった
・自分ならどうかなっていう原点に戻るのも大事だなと思う。自分だと引きずられてしまうから客観的に見てしまう。

 

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侵襲度の高い題材を選ぶとき、参加者が受け止め切れるか毎回ドキドキしながらそれぞれの言葉を聞いています。そういう意味でも今回はどうなるか、こちらもドキドキしていました。
Yooc!!で個人的に大切にしていることは”自分の感じたことを自分の言葉で話すこと”だと考えています。
大学教育の中では「正解」を求められます。でも、現実や現場は白・黒の2択ではない。限りないグラデーションの中で、僕たちは”幸せ”とか”最善”とかを考えないといけなくなる。

だからこそ、”自分はこう思う・あなたはこう思う”という正解のない意見を素直に交換できる経験は貴重だと思っています。
Yooc!!での対話が未来の胆力につながるといいな、なんて思いながらメンバーの言葉を聞いていました。

Yooc!!はしばらくオンライン・月1回で活動を続けていく予定です。興味のある方はぜひ連絡お待ちしています!