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山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

あなたにとってのメンタリングとは?〜成長過程による立ち位置〜


メンタリング、ご存知ですか?
最近イケメンメンタリストがいろんなところで活躍しているし、フレーズだけは聞いたことがある人も多いかもしれません。
今日は自分にとってのメンタリングはどんなものだったのか、少しまとめてみようと思います。
 
▶︎メンタリングって?
とりあえず言葉の紹介から。
尊敬する先生のブログのエントリーから抜粋させていただきます。
 
”医療者教育におけるメンタリング(Mentoring)は、先輩や指導者と研修者・学習者とが、薫陶・指導・支援といった多様な形で人格的にコミュニケートする活動のモデルである”
 
”メンタリングは、従来から重要だが、やや偶然性に左右されやすかった関係性を、何らかの制度的なアプローチを通じて組織の中に積極的に創り出し、それによって医療者のキャリアアップや成長に寄与していこうとする活動である。”
 
” メンタリングには多くの意味がありますが、もっとも重要なことは、以下のことにあなた(メンティー)と私(メンター)が協同して取り組むことです。すなわち、
・あなたの仕事、キャリア、そして個人としての成長をサポートすることです。
・あなたの能力を発見し、開発することです。
・キャリアや仕事の変化を通して、あなたをサポートし、成長を援助することです。
・振り返り、分析、計画の場をつくります。”
 
”要約するとホリスティック・メンタリングとは、
● 個人(人格や生活)のサポート
● 専門領域の継続学習のサポート
● プロフェッショナルとしての成長のサポート
 を同時並行的に行うことである。”
 
 
さすが藤沼先生です。
つまりメンタリングとは「個人・キャリア+能力開発・プロフェッショナリズムを包括的に援助する教育モデル」といえそうです。
 
▶︎自分はメンタリングを受けたのか?
単刀直入にいえば、こちらから「メンターになってください!」とお願いしたことは自分の人生にはありません。
ただ、自分が発展してきた経緯を見直してみると、様々な人がメンターという機能を担っていてくれたような気がしています。
 
自分が悩んだ時、迷った時に必ず相談する友人がいます。
大学の頃からずっと一緒にバカなことも真面目なこともくぐり抜けてきた間柄です。
きっとその友人は自分個人のサポートをしてくれるメンターなのでしょう。
 
総合診療を目指そうと思った年からずっと参加しているオンラインの勉強会があります。
そこで総合診療・家庭医療の知識を提供してくれた先生方・自分のポートフォリオにコメントをくれた先生方、多くの方の支援で総合診療医としての思考回路を鍛えることができました。
誰と明確には指せませんが、その勉強会自体がメンターと言えるのかもしれません。
 
そして、何よりも自分のプロフェッショナリズムを内省する機会をくれたのは家族と地域です。
家族に自慢できる人間でありたい。
かっこいい父親でありたい。
その姿は家庭でも職場でも、常に発揮されていることが相応しい。
少しだけ背伸びをして「かっこいい自分であること」を意識し始めた時から、医師としてのプロフェッショナリズムを体現できるようになった気がしました。
 
はっきりとしたメンターを設定できていないことがよくわかりました!
しかし、ここにあげた出会いはどれも自分の人生を歩む中で無くてはならない思い出だらけです。
誰も切り開いていない獣道をふらふらと歩いていたからこそ気づけたことも多々ありました。
「教育してやろう!」「いただきます!」というスプーンフィーディングで挑むのではなく、自分自身が積極的に何かを感じ取りに行く。その感覚から自分の理想の姿へ変わっていく。
そうやって自分は成長してきたのかな、と今は思えるようになりました。
 
▶︎メンタリングを受けるべきだったのか?
総合診療医になろうと決めて早5年、今となってはこの遠回りも意味があったと語ることができます。
が、この5年間悩みに悩んだことも多々ありました。
そんな時にキャリアで相談に乗れる人だったり、自身の成長について語れるメンターがいたとしたら、もう少し楽に歩めたかもしれません。
自分が良くも悪くも突き進むタイプだったこともありなんとか突破してきましたが、メンタリングを受けていたらここら辺がスムーズにいけたのかなぁなんてIFへの期待をしてみたくもなります。
 
これって逆を言えば、メンターがいないことで目指したい道を歩けなかった人もいるかもしれませんよね。
悩んだ時に足が止まってしまうようなタイプなら、他の歩きやすい道に切り替えてしまうかも。
まだまだ未知数が続く総合診療を進もうとする人たちが自分と同じ状況に陥らないようにするためにも、受けれるならメンタリングを受けた方がいいよとアドバイスしてあげたいなと思います。
 
▶︎終わりに
メンターは何人だっていても構わないと言われています。
たった1人の師匠を見つけることは難しくても、いろんな方の尊敬する部分をかき集めて理想の未来をイメージすることはできるはずです。
人生に迷う時・足取りが重くなった時に、支援してくれる人がいるのは本当に救われます。
ぜひ素敵な人にたくさん出会い、メンターとなってくれそうな人と話してみてくださいね。