YAMAGATAxGP

山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

オッカムとヒッカム

先日の当直で悔しい思いをしました。

50代の男性が発熱・発疹で搬送。収縮期血圧が80台に低下していたため、ショックと判断しました。
パッと見た時に頸部〜前胸部に蕁麻疹のような皮疹が出ていることに気づきました。

『皮疹+ショック……もしかしてアナフィラキシーショック??』

現病歴を聴取しても、アナフィラキシーに関わりそうな話は見当たりません。
数日前から発熱は出ているし、やっぱり敗血症性ショック?
でも皮疹がなぁ……。

可能性がありそうな腎盂腎炎について泌尿器科へコンサルトしましたが、やっぱりそれらしくないとのこと。
救急科にコンサルトすると、結果は「ショックと皮疹は別物なんじゃない?」という答えでした。
なるほど、別病態で考えればいいのか〜。

ふと思い出したのが、オッカムとヒッカムです。

オッカムの剃刀”=”いろんな症状があっても原因は1つである”
”ヒッカムの格言”=”1つの疾患にかかっているとは限らない”

若年者はオッカムで考えろ、高齢者はヒッカムで考えろ……なんて大学では習いました。
さて、50代男性。
どっちなんでしょう。
今回はヒッカムの格言で考えるべきでした。一元的に診断しようとした結果、落とし穴にはまったわけです。

両方を頭にいれながら動いていこう、と反省しました。