YAMAGATAxGP

山形県で総合診療医を目指しています。日々の振り返りをご笑覧ください。

仮面ライダーリバイス感想

※長文です。好きな人だけ読んでください※
 
夏はすぎ、秋の終わりを感じる季節です。
今年も仮面ライダーが1年終わりました。ちょっと時間が経ってしまいましたが……。
改めて、仮面ライダーバイスについて考えていきたいと思います。
 
▶︎魅力的なキャラクター達
 1年間お付き合いする登場人物達なので、誰も彼もみんな愛おしくなるのはもちろんです。それにも増して、今回の登場人物達はかなり魅力的だったと感じています。
 
 これまでのマッドな博士像から人間味をしっかりと感じさせるジョージ狩崎。
 正義バカから一転して頼れる兄貴になったヒロミ。
 ダメ父と見せかけてサイドストーリーを踏まえて一気に影を背負った父ライダーの元太+それをずうっと支え続けているさくらママ。
 何よりも兄弟の絆と共に自らの血に翻弄され、それでも信じるものを貫こうとした五十嵐三兄弟。
 
 前回のセイバーに比べて背景描写が深く、みんな肩入れしたくなるキャラだらけでした。
 あと、アギレラ様こと花ちゃんマジかわいいです。さくらx花は鼻血出しながら推してました。
 
 
▶︎だからこそ悩ましいストーリー
 個々の演技だったり背景の書き出しなど、限られた話数の中でよくもまぁここまで肩入れしたくなるストーリーを描き出したと思います。
 だからこそ、本筋(ギフとは何か?悪魔とは?仮面ライダーは何を守って何と戦うのか?)という部分が霞んでしまったような印象も受けました。
 リバイスの評価が結構二分しているのは、この部分なんじゃないかなーと個人的には思っているところです。
 
 つまり、古参の仮面ライダー好きとしては「仮面ライダーという存在」がどう描き出されるかを楽しみにしているんじゃないか。自らの葛藤の中で、彼・彼女らは何を守ろうとしているのか?というドラマを毎年ワックワクしているわけです。
 リバイスは「自らの記憶(変身するたびに記憶が消えていく)」を引き換えに「日常」を守りたかった……んだと思うんだけど、どうして記憶が無くならなきゃいけないのか?(カゲロウもラブコブもそんな契約なかったやーん)・一輝がそこまで日常を守りたい理由は?(人並外れたおせっかいだから、で説明つけられるのか?)とかが引っ掛かっちゃうんですよね。
 この部分を視聴者の想像で補わせる作戦ならそれでいいと思います(おそらくリバイス好きな人はこの部分を深掘りせずに飲み込めるか脳内補完でハフハフしているんだと思う)。しかし、そこは脳内補完でなくて本編で出しておくれよ〜という人が一定数いるんじゃなかろうか?という風に考えています。
 
 比較的サブキャラにも余すことなく背景を描き切り、どのキャラも推せるくらいの描写をしたリバイス
 だからこそ仮面ライダーという屋台骨が霞んでしまうのはなんだか切ない話ですね。
 やはり1年間ではなく、2年間くらいかけて物語を作っていくべきなのではないでしょうか!どうですか東映さん!
 
 
▶︎リバイスって何がよかったの?
 以上の点を踏まえて、個人的にリバイスとはなんだったのかを考えますとですね。
「悪魔」と向き合いながら信念を貫こうとする人々(=仮面ライダー)の群像劇、と捉えるのがよいのではないかと思っているんですよ。
 
 人は誰もが心に悪魔を抱えていて、それでも信念を持って生きようとしている。
 辛い現実が迫ってきても、悪魔に自分が負けてしまう時があっても、それでも立ち上がり続けるのが仮面ライダーなんだ。
 僕らが僕らであるために、戦え。
 リバイスから僕が受け取ったメッセージです。
 
 コロナ禍だったり露宇抗争だったりする中で、ビルド以来の相当な危機を描いた作品でした。
 仮面ライダーとは?というメッセージ性には弱いものの、「ヒーローとは何か?」というメッセージにおいては強いインパクトを残した作品だと思います。
 そんな目線で楽しみながら、各ライダーのスタイリッシュな造形にニヤニヤしていただければ幸いです。
 
 平成ライダーには珍しく、ライダーに偏見のない初心者こそ楽しめる作品なのではないでしょうか。
 ここからライダーに入っても悪くないと思います。
 さて、ギーツはどうなるでしょうか。楽しみに1年追いかけます。